情緒がめちゃくちゃになる!
今までの生活録、全部載せ回だった
次回で連載が終了するのは悲しいのですが、わりと気持ち的には吹っ切れたというか清々しさが残る回でした
この記事はまだ途中です
今後、追記予定!
以下、ネタバレ感想や考察が続きますので、ご注意下さい
感想・考察
一条の毒気が抜けてたのが良かった
生活録の一条って「上京したものの何者にもなれない自分への嫌悪感、焦燥感」が常にあってイライラしやすかったり、裏目に出たりするキャラクターでした
黒崎のオーラ、大物感に圧倒され、「この人について行きたい」と思える人物に会えたことで精神的安寧を得た感が伝わってきて、本来の彼の余裕さが出てて良かった 黒崎のシーンはメグ回のラストシーンがあったからこそ何倍にも映えたなと思います
芦田に帝愛を口説かれた時には全否定だったけど、黒崎様と接する一条の態度はまったく違ったものだった
彼が今まで観てきた自己啓発の本の著者や、YouTuberは思考する上で参考になったとは思うけど、「リアル」にはいない どこか遠い世界の人達だから「リアル」じゃない
何も持たざる者である一条にとって初めて出会ったすごみのある人物が黒崎様だったのだ
帝愛に惚れ込んで入社したというよりは、黒崎様の圧倒的カリスマ感に惚れてついてくことに決めた描写は良かった
この作品は一条が自分の能力を活かせずに燻り続けるところが肝だったので、彼の性格を思うとけっこう読んでて苦しかった
でもこの回はこれまでの一条の焦燥感が払拭されていて、なんというか一条が未来へ希望を抱いていることが分かる描写が多くて、彼の気持ちと共に読者も救われる構成だった
一条が、「黒崎という具体的な目標像」に触れたことからぐにゃぐにゃで掴めなかった将来像の輪郭だけ触れることができたんだと思う なんだかその描写があまりにも丁寧で、泣きたい気持ちになった
今までの上京生活の思い出全部載せ
鍋に袋麺、喧嘩回で登場した青菜系、彩りの豆苗、サバ缶…と数々の思い出深い食べ物が出てきて、この描写の細かさに圧倒されて情緒がぐちゃぐちゃになり、泣いちゃうかと思った
ああそうか、上京してもう3年も経つのか
2話の引越当初のガランとした部屋にいる2人はこれからの生活を思って希望に溢れた顔をしてました
それぞれの新しい門出に向かって荷造りしてる回は、(物が多い家ではなかったので)荷物は少ないものの、
「あぁ、本当にさくらハウスをでるのか」と思うととても寂しい気持ちになりましたね
一条の葛藤
スピ条って一人称がけっこう「オレ達」なんですよね 村上が横にいるのが当然に思っている
高校時代に彼らがどのような会話をして村上がついてくるに至ったかはよく分からない
でも18歳~21歳までの時を一緒に過ごしてきたわけで隣にいるのが当たり前になってるんですよね
どこか吹っ切れた様子の一条と村上はいつまでも他愛のない話を繰り返すばかり
村上 ついてきて欲しい オレと一緒に
上京生活録イチジョウ 第47話「仕舞」の一条の台詞を引用
あの一条が…頭を下げて頼みごとをしているっ…?!?!?!?!?!
過去の思い出を振り返って一条の口から「村上、ついてきて欲しい」と出た時、なんというか心が震えました こ
の言葉が彼の口から出るまでに1ヶ月かかってますからね 言葉の重みを感じました
おそらく一条が「帝愛に入る」と村上に宣言した時点で二つ返事で「オレもいきます!」と言って欲しかったんじゃないかな
上京時は一条から村上に同居を提案したわけではなさそうなので、おそらく初めて村上に対してリスクを背負わせる一言だったと思います
最初、黒崎の作戦通りに「ファニーなおじさんがいるし、帝愛って良いとこかもな」と思った村上は黒崎に一条が書いた履歴書を破られたのを見て「帝愛はとんでもないところだ」という認識に変わりました
一方、最初「帝愛なんかに絶対入社するもんか」と思っていた一条は黒崎の全て計算ずくの行動に圧倒され、「この人を目指したい」と目標ができました 帝愛に入ることが目的ではなく、「黒崎に追いつきたい(認められたい)」という思いが芽生えるきっかけとなりました
この1ヶ月間の間、ずっとこんな他愛のない本質に迫らない会話を続けていたんだろうなと思います
おそらく、ここで一条が村上に「ついてきてほしい」と言わなければ、もうこの2人の世界線は交わることがなかったでしょう
一条は帝愛入社というリスクのある選択に村上を付き合わせることにずっと躊躇していました
村上は一条の頑固さを知っていて、帝愛入社を辞めた方が良いと思っていたけど一条の夢を応援したい、微妙な気持ちだったと思います
2人のモヤモヤが消化されたシーンは言うことなしというくらい完璧なものでした
作者様、このやりとりを描いてくれてありがとう
一条と村上について
ここで第46話を振り返る
46話で帝愛に入ると決めた一条を村上が止めたことによって
「じゃあお前は・・・・その社会のルールとやらを守って・・負け続けろって言うのか・・?オレに・・・・」と村上に詰め寄ります
初めて読んだ時は「分かんないっス」という村上に対して「いや、分かんないってなんだよ」って思ったんですよね
村上は黒崎が一条の履歴書を破ったことに対して、自分ごとのように怒ってました
今思うとこの時点で、いや、もっというと連載当初から村上は一条のことを慕っていました
そんな村上はまさに忠犬そのもの
一条のことを尊敬している村上が、村上の目の前で黒崎によって一条の尊厳を踏み躙る行為をしたことを許せるはずがありません また、そんな酷い扱いをされたのにも関わらず、ルールレスの帝愛に入社すると決めた一条の選択を分かるはずがない
何度も読んでるうちに「そうだよな…そりゃ村上もそんな選択をする一条の行動は分からないってなるわ…」と思い直しました
一方、一条は己の弱さを断ち切るため、今までの生活、交流関係を断ち切る選択をとりました
上京生活録イチジョウ 第46話「断弱」の一条の台詞を引用
最後だ・・・・これでもう・・・・本当に終わりだ・・・・オレが・・・・人のために金を使うのも・・そして・・楽しい仲間と・・・・なれ合って生きるのも・・・・
第46話で今までの楽しかった仲間との交流を断ち切る選択をした一条ですが、47話に行き着くまで「ここからどうやって村上も帝愛入社を決めるのか」と気になってました(原作で、一条も村上は同じ裏カジノで働いているため、村上は帝愛入社することは決まっているので)
スピンオフは基本オムニバス形式で長くても2話編成くらいだったので、長編ストーリーとなるとこんな魅せ方もできるのかと感動しました
2人の上京生活の果てに得たもの
一条は己の弱さを断ち切るため、今までの生活、交流関係を断ち切る選択をとりました
そんな一条ですが、Switch持っていこうとしてました
第46話で一条は今までの己の生活を断ち切る作業を淡々とこなしていました
心機一転、今までの弱い自分を断ち切り、帝愛でストイックに頑張る所存の一条はSwitchも封印するつもりだと思います
というか日々勉強しなくちゃいけないし、業務量も多いと思われるので、Switchをプレイする時間がありません
よって、このSwitchはこれから帝愛に入社する一条にとって「ただの置物同然の存在」です
だからこそ、第46話を読むと村上から貰ったSwitchを持っていこうとしていたのはなんだか感慨深いなと思いますね 一条自身、無意識だと思いますが、村上から貰った誕生日プレゼントであるSwitchを「持って行く方」の段ボールに入れた行為がなんかもう、感慨深かったです
気まずい雰囲気の中、1ヶ月過ごしてきたんだろうな…
一条は村上から貰った誕生日プレゼントであるSwitchは思い出として持って行くことを選択してました
1ヶ月
この期間で一条は自分のすべきこと、弱い自分を断ち切るために環境整備をすることで覚悟が固まり、付き物が落ちたかのような清々しい顔つきになってます 普段めちゃくちゃひねくれてる彼が少しだけ素直になるためには1ヶ月かかりました
一方、村上は一条の行動力を目の当たりにして本当に帝愛に入社するのかと思ったと思います
村上もついて行く選択肢を持っていたと思います 何故なら退去前日なのにも関わらずまったく荷造りをしていないからです
あつしおじさんの家に行くのか、一条さんについて行くのかこの時点で決めきれていません
直前まで悩んでいたと思います
「一緒についてきて欲しい」
繰り返しになりますが、一条が村上にこの言葉を言うのに1ヶ月という期間がかかっています
一条の誘いを受けて「はい」と答える村上
このシーンに至るまでの2人のお互いを思い合うが故の葛藤を丁寧に描く描写があったからこそ、村上の返事を目にした時、泣きそうになりました
こんなやり取りをしていますが、村上は帝愛を「やばい会社」だと思ってますからね リスクを承知で一条について行くことを決めました 2人とも並々ならぬ覚悟で帝愛入社を決めました
一条はカイジよりほんの少し運が良い
原作には「一条の運の方がほんの少しだけカイジを上回っていた」とモノローグで語られる描写がありました
一条がカイジより運がほんの少し良いのなら、腹心の部下ができたことが彼にとっての幸運だったのだと思います
一条がもし、一人で上京していたら、さくらハウスの隣の住人であるバーピーのように心細くて泣いてしまう夜もあったかもしれません また、メグのようにマルチ商法と分かっていながらそれに縋るしかない状況に身を置くことになっていたかもしれません
村上がいなかったら、美沢君も「いけすかない嫌な奴」止まりでせっかく上京したのに彼の生活は何も変わらず、たださみしい日々を過ごしていただけのように思います
一条がカイジよりほんの少し運が良いのであれば、ずっと地下で暮らし続けるとは思えないので、何らかの方法で地上にまた舞い戻ると思います そしたらさ、村上コーヒーをのんびり経営しても良いんじゃないかな
個人的に伏線回収してほしかったところ
正直めちゃくちゃありますが、とりあえずこれだけあげます
三沢君、山田君、ジョイクルーメンバーのその後
三沢君の料理人という夢、医者家系であるもののやりたいことを探す山田君がどのような選択をしたのか教えてほしい
スピンオフ開始後、彼らのこともすごい好きになりました
倉持さんや小崎さんのガールズトークとかもう少し見たかった
ジョイクルーメンバーをもう少し掘り下げて欲しかった…
あと、トネガワもハンチョウも麻雀回があったので、ちゃんとした麻雀回が見たかった(ディスマンはあくまでも背景と化した麻雀だったため)
村上との高校エピソード
せめて岡山から上京することを決めた当時のエピソードを教えてほしい
【余談】このままだと村上がただの何も考えてない子になってしまう件
一条より一個下の設定である村上は高校中退して一条についてきたわけですが、このまま村上の上京してきた理由とか高校時代のエピソードが出ないまま物語の幕を閉じるとなると、村上、キャラクターとしてあまりにも宙ぶらりんすぎでは????
マルチ回ラストでの「絶対成功してやる」というシーン
一条の「成功」のゴールは帝愛入社ではありません あくまでも通過点
もっというと裏カジノの店長でも「絶対に成功してやる」という言葉の真理ある「成功」とは程遠いと思います 個人的にはカイジが認めた悪党である一条は地下でどんな手段を使っても、絶対に地上に這い上がって兵藤会長よりも大きな財を築いて何もかも手に入れて欲しいのです
2話で「常昇」という自伝を出す話が出ましたが、あの話が個人的に好きです
直訳すると「Allways Rising」ですよ?あまりにも直接的すぎてタイトルが秀逸すぎる
最初は何もない6畳一間のアパートから始まったという入りで良いです
その後、帝愛入社し、若くして幹部候補まで上り詰めたものの、転落
そして、並々ならぬ努力から地上に舞い戻り、莫大な財を成した…こんな圧倒的人生を綴る自伝が読みたい
一条の常に努力を怠らない泥臭いところ、根性があって芯が強いところが大好きです
上昇志向ゴリゴリで優秀な自分が大好き!でもコンプレックスの塊みたいなチグハグなとのろに魅力を感じます なんででしょうね
地上に舞い戻った後は「村上コーヒー」の従業員としてのんびり暮らしていけば良いんじゃないかな?と思うけど原作条はゴリゴリの上昇志向オバケなので、全国展開してきそう
【余談】47話を読んで1人で大山に行ってきました
2人が過ごした舞台とされる「大山駅」
47話を読んだ後に大山駅に行きました
大山に来たのは半年ぶりくらいだったので、新鮮な気持ちで散策できました
今まで漫画とかアニメの聖地巡礼とかやったことなかったんですけど、この作品をきっかけに初めて聖地巡礼しました
2人がよく行くスーパー
「ここ2人がいつも行ってるスーパーだ!」とかまるで現実世界に2人が存在するかのように感じられてめちゃくちゃ楽しかったなーということを思い出しました
カレーバイキングの「マナカマナ」でランチしてきました
金額は1,150円で45分食べ放題
節約回で取り上げられた直後にも行ったことがあるのですが、その時はコロナ禍真っ只中だったのでバイキング制ではなかったです 時間は短縮されたもののバイキングが復活してたため、自分も同じようにバイキングできてめちゃくちゃ嬉しかったです
ナンがもちもちふかふかで冷めてもめちゃくちゃ美味しかったっ…!
ナンだけで永遠と食べられるっ…!めちゃ美味しい
あとヨーグルトを凍らせた謎のデザートもヨーグルト大好きなのですごい美味しかった
まとめ
連載が終了するのは悲しいですが、気持ち的には満足する回でした
どんなラストになるのか今からドキドキしております
第二部として「帝愛下積録イチジョウ」を連載開始したら良いなという希望を持ち続けて生きていきたいと思います
また、近日中にAIに一条の記事を書いてもらったので公開しますね
ぽんが趣味で描いてるエッセイ漫画です!